採用構成(TL;DR)
- 配分:NISAコア SPY 30% | 特定口座 CTA 70%(初期 コア¥150万/CTA¥350万)。
- 現物のみ(借入なし)・50%固定ヘッジ・週次監視+20%バンド・ロングのみ。ブローカーはSBI証券。
- 2008–2024の通し検証で年率 7.6%/最大DD −22%/Sharpe 0.68(¥500万一括・税込・実弾SBI-8)。
- 役割はリターン最大化ではなく株との分散。純SPY比で最大DDを−54%→−22%へ約6割圧縮。
FXの蜃気楼、分散のエッジ、過剰最適化の検定、レバレッジ、為替ヘッジ——AIとの一連の検証が導いた結論を、現実の制約(現物・借入なし・SBIで売買可能なETF)に落とし込んだのがこの構成です。これは読者への投資推奨ではなく、AIを使った検証がどこまで具体化できるかの一例。狙いは派手なリターンではなく「いつ来るか分からない暴落を、浅く乗り切ること」です。
なぜ「30:70」なのか
コア(株)の比率を振った感度分析が、設計の核心です。コアを増やすほど年率は上がりますが、最大ドローダウンが急拡大します。Sharpe効率の頂点は30〜50%コア。最終的に、追い風(米株強気+円安)への依存をより小さくできる30:70を検証上の採用案として選びました。
| コアSPY : CTA | 最終評価額 | 年率 | 最大DD | Sharpe |
|---|---|---|---|---|
| 0 : 100(全CTA) | ¥1,134万 | 4.9% | −16.4% | 0.53 |
| 30 : 70 ◎採用案 | ¥1,736万 | 7.6% | −22.0% | 0.68 |
| 50 : 50(旧採用案) | ¥2,138万 | 8.9% | −29.8% | 0.68 |
| 70 : 30 | ¥2,539万 | 10.0% | −39.6% | 0.65 |
| 100 : 0(全SPY) | ¥3,141万 | 11.4% | −54.1% | 0.60 |
¥500万一括・2008–2024・税込・50%ヘッジ・現物のみ・実弾SBI-8。出典:docs/FINAL_SPEC.md(run_core_ratio.py / run_sbi8_scenarios.py)。これらは過去データのバックテスト(シミュレーション)上の仮定値であり、実運用実績ではなく将来の成果を保証しません。
30:70はSharpe最高(0.68)を保ちつつ、純SPYの最大DD −54%を −22%へ約6割圧縮。年率は純SPYの約7割(7.6%)を確保します。「攻めすぎず複利」のバランス点です。米株上昇分を抜いた「横ばい」シナリオでも年率3.9%を維持し(50:50は3.2%、全SPYは0.7%)、右肩上がりへの依存も小さい。
採用した5つの選択
| 項目 | 採用内容 |
|---|---|
| 配分 | NISAコア SPY 30% / 特定口座 CTA 70% |
| CTA執行 | 現物のみ(グロス≤100%)・週次監視+20%バンド・ロングのみ・逆ボラ・ボラターゲット |
| レバレッジ | なし(→REPORT 04) |
| 為替ヘッジ | 50%固定(方向は読まない=後悔最小/REPORT 05) |
| ブローカー | SBI証券(NISA対応・予約注文フル・リアルタイム為替0銭) |
銘柄:実弾ユニバース「SBI-8」
研究では12資産を使いましたが、SBIの実機確認(648銘柄リスト)で商品・原油・通貨・REIT ETF(DBC/USO/FXE/FXY/VNQ)は取扱なしと判明。REITをIYRに差し替えた8つのETFで再構成しました。
再バックテストでSBI-8 は Sharpe 0.68 ≈ 理論12資産(0.67)。通貨・原油の欠落は致命傷でなく、実装可能であることを実測で確認しました。
毎週の執行ルール
- 各週の初営業日に、CTAの目標建玉を再計算(3/6/12ヶ月トレンド符号の平均→上向きの銘柄のみ、逆ボラ加重、目標年率ボラ10%へスケール)。ただし現物のみ=必要レバが100%超でもグロス上限100%で頭打ち。
- 乖離20%超 or ゼロ⇔非ゼロ転換の銘柄だけ建て直す(それ以外は据置)。コスト5bps想定。
- USD建て評価額の50%を常時ヘッジ。比率がズレたら週次で戻す(タイミングは取らない)。
- NISAのSPYは買い持ち(回転しない)。
積立シナリオ
初期¥500万+毎月¥5万(30:70で按分)を2008–24に投入すると、投資総額¥1,515万に対し最終評価額¥4,190万(2.77倍・IRR 8.5%)。暴落局面でも買い続けたことが効きました。なお時間加重Sharpeは積立でも同じで、積立が変えるのは主に金額とIRRです。最大ドローダウンは積立口座ベースで−17%(一括検証の目安は−22%)でした。
金額のドローダウンは、率より重い。 率では穏当でも、資産が¥4,000万に育てば、最大DD(積立基準−17%)で約¥680万、一括基準−22%なら約¥880万もの評価減になります。しかもCOVIDのように突然・数週間で来ます。率に慣れても金額で耐えられるかは別問題。だから事前に「金額で」覚悟し、暴落時に積立を止めない規律が要ります。
正直な期待値
年率7.6%・Sharpe0.68は控えめに解釈してください。理由は2つ。①円建ての金額には2008–24の円安という追い風が含まれる。②過剰最適化を割り引くと、素の実力はドル建てSharpe~0.7→補正後 0.3〜0.4(→REPORT 03)。CTAの価値は最大化ではなく、株と無相関・危機で稼ぐ分散にあります。実弾の前には、数ヶ月のフォワード(ペーパー)トレードと税務の実務確認が必須です。
よくある質問(FAQ)
なぜ株100%でなくCTAを70%も混ぜる?
分散(DD圧縮)が目的だからです。株100%は年率11.4%ですが最大DD−54%。30:70は年率7.6%に下がる代わりにDDを−22%へ約6割圧縮。CTAは株の暴落局面で稼ぐため、組み合わせで下落を浅くできます。
年率7.6%はそのまま期待してよい?
控えめに。円建ては円安の追い風を含み、過剰最適化を割り引くと素の実力はドル建てSharpe約0.7→補正後0.3〜0.4が妥当です。価値は最大化でなく分散にあります。
実弾ユニバースSBI-8とは?
SBIで1株単位売買できる8ETF(SPY/QQQ/EFA/EEM/TLT/IEF/GLD/IYR)。再検証でSharpe0.68と理論12資産(0.67)にほぼ同等で、実装可能性を確認しました。