コードを自分では書かない経営者が、AIエージェントを相棒に、FXとマルチアセットのシステムトレードを一から検証しました。 たどり着いたのは派手な必勝法ではなく、「綺麗に勝つほど過剰最適化を疑う」という、プロが使う検証の規律。 専門家でない一人の人間でも、AIを使えばここまで踏み込める——その実例として、陽性結果をいかに殺したかの全記録を公開します。
※ 数値はすべて過去データのバックテスト(シミュレーション)に基づく仮定値です。実運用実績ではなく、将来の成果を示すものではありません。
“勝ち”に見えたものの正体は、たいてい一つの相場局面(円安)と過剰最適化だった。
本物のエッジは「当てる」ことではなく、分散して耐えることの中にあった。
一度に変える変数は1つだけ。勝率ではなく期待値で測る。陽性結果ほど別のAIエージェントで批判監査する。 この規律で進めた検証の航跡を、時系列で追います。
逆張り−2σ反発、終値ブレイク、通貨強弱フィルター。シンプルな骨格を、ルックアヘッドを排除して素のまま計測。往復2〜3pipsのコストが期待値(R)を食い、ことごとくマイナスへ。
NO-EDGE / 期待値マイナスTSMOM・横断モメンタム・ORB・Donchian・RSI(2)・キャリー。低頻度化でコストは外せたが、外した先にエッジが無い。唯一プラスのキャリー(金利収益+16.7%)も…。
NO-EDGE / キャリーのみ局面依存で残存勝っていたUSDJPYのテクニカルも、キャリーの+16.7%も、JPYを除くと崩壊(全体−5.1%)。2022–24の“勝ち”はすべて単一マクロ要因「JPY安」に帰着。標本が単一レジームに支配されていた。
蜃気楼 / 単一レジーム依存答えは「より良い指標」ではなく 多市場分散 × ボラ・ターゲティング × 過剰最適化を疑う統計。これを最小構成で再現(クロスアセット29ETF・2007–24・複数レジーム)。
仮説転換FX単体のSharpe 0.31が、クロスアセットで 0.64 へ。2008/2020/2022の危機で稼ぎ、株との相関−0.09。「分散がエッジを生む」を実測。現実配備版でも Sharpe ~0.50。
ROBUST-EDGE / 多レジーム生存Deflated Sharpe Ratio と CSCV-PBO で試行回数を割り引く。結論は「たぶん本物だが控えめ」。期待Sharpeは見出しの0.5でなく、補正後 ~0.3–0.4 が妥当と正直に置く。
PROBABLY-REAL / 期待値は控えめに各レポートは独立して読めます。冒頭に要点(TL;DR)、本文に実データ、末尾によくある質問(FAQ)を置いています。 投資助言ではなく、再現可能な検証の記録です。
8つの価格戦略はすべて期待値マイナス。勝って見えたUSDJPYも、正体は単一レジーム「JPY安」の蜃気楼だった。なぜ陽性結果ほど疑うべきか。
読む →「より良い指標」を捨て、多市場分散とボラ・ターゲティングへ。FX単体0.31→クロスアセット0.64。危機で稼ぐクライシス・アルファの正体。
読む →11回も試せば運だけでSharpe 0.39に届く。Deflated Sharpeと過剰最適化確率で、見出しのSharpeをどこまで割り引くべきかを検定する。
読む →信用2倍は買方金利を引くとSharpe 0.66、現物は0.67。コストを正直に引くと判断が反転する典型。SBI証券での実機確認まで。
読む →静的ヘッジの要否はUSD/JPYの方向性ベットそのもの。動的ヘッジは円高でウィップソー破綻。方向を読まないなら50%固定が最も後悔が小さい。
読む →現物のみ・50%固定ヘッジ・週次監視。年率7.6%/最大DD−22%/Sharpe 0.68。役割は「最大化」ではなく株との分散。実弾ユニバースまで。
読む →一度に1変数・事後ベスト選択の排除・gross/net分解・多レジーム検証…。バックテストの“蜃気楼”を見破るために守ったルールを一般化して共有。
読む →CTA戦略を毎週自動で回す仕組みをAWSにデプロイ。AIに提案させたサーバーレス構成(Lambda+DynamoDB+EventBridge+SES)と月額数十円の運用コストを、非エンジニア向けに解説。
読む →「最大化」ではなく「分散して耐える」ことを狙った構成。AIとの検証の結論を、現物・借入なし・SBIで売買可能なETFという制約に落とし込んだものです。 これは読者への投資推奨ではなく、AIを使った検証がどこまで具体化できるかの一例です。円建ての見出し金額は円安の追い風を含むため、素の実力はドル建てSharpeで見ます。
| コアSPY : CTA | 最終評価額 | 年率 | 最大DD | Sharpe | 役割 |
|---|---|---|---|---|---|
| 0 : 100(全CTA) | ¥1,134万 | 4.9% | −16.4% | 0.53 | 守り最優先 |
| 30 : 70 ◎採用案 | ¥1,736万 | 7.6% | −22.0% | 0.68 | 効率の頂点・株依存小 |
| 50 : 50(旧採用案) | ¥2,138万 | 8.9% | −29.8% | 0.68 | 同Sharpe・DD深い |
| 70 : 30 | ¥2,539万 | 10.0% | −39.6% | 0.65 | 攻め |
| 100 : 0(全SPY) | ¥3,141万 | 11.4% | −54.1% | 0.60 | 株100% |
¥500万一括・2008–2024・税込・50%ヘッジ・現物のみ・実弾ユニバースSBI-8。出典:docs/FINAL_SPEC.md(run_core_ratio.py / run_sbi8_scenarios.py)。これらは過去データのバックテスト(シミュレーション)上の仮定値であり、実運用実績ではなく将来の成果を保証しません。投資助言ではありません。
本サイトの内容は、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではなく、筆者個人による検証・研究の記録です。 過去のバックテスト結果は将来の成果を保証しません。記載の数値は固定コストを仮定した近似であり、円建ての金額には為替(特に2008–2024の円安)の影響が含まれます。 投資判断はご自身の責任で、必要に応じて専門家へご相談のうえ行ってください。